明け方、激しい雨音で目を覚ます。
そのままそっと布団をたたみ、蓮華温泉の食堂で、持参の朝ごはんを食べつつ、出発時刻を考える。

5時頃になって、やっと雨は止み、いけそうだと判断して、6時に蓮華温泉出発。



まだ南のほうにある台風の影響か、雲の流れが速く、白馬方面は厚い雲に覆われているが、北側はチラッと青空も。



淡い期待を抱きつつ、スローテンポでリハビリ登山スタート。
蒸し暑い山道を、じりじりと登っていく。



天狗の庭あたりから小雨が降り始め、8：30　白馬大池到着。
雨に煙る小屋の前の広場にも誰もおらず、閑散。



この先、稜線は風雨が強まりそうだったので、小屋前のベンチで雨に濡れながら行動食のパンをほうばって補給をする。
さて、稜線へと登りますか。



雨で前の見にくい中、じりじりと小蓮華山を目指して歩く。天気がよければ、素晴らしい眺めの稜線なだけに残念だが仕方がない。

10：15　小蓮華山。
ここを過ぎれば、あとは白馬岳まで1時間ほどだ。

11：30　白馬岳山頂。
雨に煙って視界のない山頂もそこそこに、早々に白馬山荘に転がり込む。

11：45　白馬山荘到着。



濡れた雨具などを乾燥室に吊るし、割り当てられた部屋に。普段テント山行だと、こういうときの小屋のありがたさが身にしみる。

腹ペコだったので、ないんはともあれ、スカイプラザ白馬でカレーとビール。これで生き返って、部屋へ戻りしばし読書。

その後、自炊場でちょこっと山めしおつまみを作って大雪渓のワンカップを愉しんだ。

　いちご煮そば

まだまだ時間があるので、寒い部屋にいるのもな・・・と、再びスカイプラザに赴き、赤ワインとソーセージの盛り合わせ。
（どんだけ飲むねん・・笑）



雨のやまない山の午後。赤ワインを飲みながらまた読書。
たまにはこういうのもいいか。。。



どれだけ時間がたったか、赤ワインのカラフェが空く頃、ふと横の窓を見ると・・・

おおっ！！！！！



ぼんやりとした日差しがやがてはっきりと差込み、あわててワインを片付けて、スカイプラザの外へ。

ああっーーーーーーーーー！！



まさに雲に落ちんとする太陽であったが、ようやく雨があがり、小屋の周辺のあちこちで歓声がこだまする。



夕暮れ間近だったこともあって、きれいな夕焼けまでは見れなかったが、一日雨に降られて歩いてきた山人たちにとっては、希望の光。



残照との別れを惜しみつつ、



赤ワインの酔いとともに、心の中に溜まっていたつかえも溶けていき、明日の天気を祈るように、西の空を拝むのであった。

（つづく）