2023年夏。再びヨーロッパアルプスへ。
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2019年に人生初のヨーロッパアルプスの山旅に、すっかり魅了され、また訪れたいと思いながら3年。
年初には今年もダメかとあきらめかけていた海外遠征だが、7月から仕事の海外出張も3年ぶりに再開し、いついけるかわからないなら、今しかない!と思いきってヨーロッパアルプス弾丸山行をやることにした。

今回はいろんなところを回る期間的な余裕がない弾丸ツアーなので、一カ所に滞在してできるだけ多くの山を歩きたい。そんなわけで、前回は訪れることのできなかった、アイガー北壁で有名なグリンデルワルトにターゲットを絞り、超多忙の仕事の合間をぬって、航空券の手配とホテルの手配。
ドタバタで、ヨーロッパアルプスへと旅立つのであった。

そして、その日は来た。

3年間想い続けたヨーロッパアルプスだが、不安と焦りの旅立ちだった。
コロナの心配、残務の気懸かり、そして超多忙の中、仕事でもプライベートでも自己肯定感の持てない最近の自分。

もちろんビジネスクラスなどで行けるはずもなく、かろうじてチューリッヒへの唯一の直行便、スイス航空のプレミアムエコノミーを手配して、一縷の望みをかけてアップグレードも期待していたのだが、成田のカウンターであっけなくプレミアムエコノミーの航空券を手渡される。

ところが、搭乗口で奇跡が起こる。
突然アナウンスで呼び出され、えっ、もしやダブルブッキングで乗れない・・・?!といやな予感がしたが、ゲート横のカウンターに行くと、まさかの搭乗直前にビジネスクラスへとアップグレード。
一気にテンション上がる(笑)

スイスエアーのビジネスクラス。
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めちゃ広い。
そして、アメニティがなんとビクトリノックスのケースに。
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ここに妙に感動してしまった(笑)
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頑張っているといいことあるもんだなー、としみじみ。
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シャンパンとおつまみをいただきつつ、しばしの幸福感。

離陸後、機内食ランチのスタート。
前菜はホタテと海老のサラダにチーズ。
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もちろん、スイスの白ワインを。
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メインのステーキには、スイスの赤。
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チーズも、パンも美味で(どちらもスイスではとても美味しい)
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少しの間、いろんなことを忘れさせてくれた。

デザートとコーヒー。
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スイスエアーのビジネスの食事はいいと聞いていたけれど、噂以上だった。

食後はゆっくりとKindleで読書。
アンソロビジョン。

同書の冒頭にはこんな記述がある。

“人類学が身の回りの世界を詳しく見て、ありふれた現実の中に潜んでいる事柄に気づき、他者に共感を抱き、問題に対する新たな洞察を得るための知的フレームワーク(枠組み)だからだ。
人類が気候変動、パンデミック、人種差別、ソーシャルメディアの暴走、人工知能(AI)、金融の混乱、政治対立に直面する今、このフレームワークの必要性はかつてないほどに高まっている。”

大学時代の専攻だった文化人類学をビジネスに活かす、という話で、興味深い。

一眠りすると、いつしか北欧上空(?)、氷と氷河の世界が下に広がっていた。
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夕刻、40分ほど遅延して、チューリッヒ空港に到着。
入国審査を通過し、山道具でパンパンのスーツケースをピックアップして、空港ビル直結のスイス鉄道の駅へ。

さて、ここからが一人旅かつ英語もカタコトな私の試練の始まり。

おお!自動販売機の切符の買い方がわからん。。
キップ売り場の窓口は、到着したツーリストで長蛇の列。
しかも、ホテルのチェックイン可能時刻は20分後に迫り、一応、フライト遅延の旨、メッセージを送っていたのだが、「努力します」という入れるのかは入れないのかわからん返答が。

なんとか、自動券売機でチューリッヒ中央駅までのキップを手に入れ、さらに階下の駅のホームへ行くのだが、どの電車に乗ればいいのか・・・
スイス鉄道のアプリで検索して、多分この電車だ、と乗りこんだら正解で、10分ほどで中央駅に。

このチューリッヒ中央駅が、巨大かつ何層にも乗り場があり、さらに地上への出口がどう行けばいいのかわからず散々迷って、Googleマップを頼りにホテルへ。
ようやく到着したホテルでは、陽気なスタッフが迎えてくれ、なんとか泊まることができた。

1階のバーで爆音系の音楽が鳴る中、2階の部屋に転がり込み、ここまでの激務とロングフライトに疲れ果てて、夕食も摂らずそのままベッドに倒れ込むのであった。(つづく)