<2017年12月16日 追記修正>

正月3日に、再び雪の八ヶ岳へ。

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冬の渋の湯~天狗岳~稲子湯という、大好きな雪山コースだ。





天狗岳へのアクセス 登山口と駐車場


天狗岳へのアクセスは、登山口によって大きく変わります。

・唐沢鉱泉からの登山口 
  アクセスは自家用車・タクシーのみで、バスの路線はありません。
  唐沢鉱泉までは、未舗装の林道を走り、唐沢鉱泉下に駐車場があります。
  ハイシーズンには駐車場はすぐ満車になるので、早めの到着が必要
・稲子湯からの登山口
  アクセスは自家用車、タクシー、夏季は小海線の小海駅・松原湖駅から路線バスがあります。
  (冬期は稲子湯までの便はない)
  稲子湯には登山者用の駐車場があり、稲子湯旅館さんに料金を払って利用できます。
・渋の湯からの登山口
  アクセスは自家用車、タクシー、路線バスがJR茅野駅からあり
  渋の湯のバス停手前に登山者用駐車場があり、渋の湯さんに料金を払って利用できますが、収容台数は多くありません
  今回は、この渋の湯までタクシーで入り、天狗岳を目指しました。

天狗岳の山小屋 テント場


天狗岳の近くには、稜線近くの黒百合平に通年営業の黒百合ヒュッテがあり、テント指定地も併設しています。
稲子湯からのルート上には、人気の山小屋である みどり池畔にしらびそ小屋があり、同じくテント場があって通年営業。


天狗岳の登山シーズンと難易度


天狗岳は、山小屋が通年営業していることもあり春・夏・秋・冬のシーズンを通して登られています。雪がなくなる5月後半から夏、秋のシーズンは初心者でも特に危険な箇所はありませんが、東天狗岳は岩稜の山で、冬場は10本爪以上のアイゼンとピッケルが必要。強風が吹くことが多く、本格的な冬山の世界になります。


天狗岳への登山コース コースタイム 日帰り山行について


・唐沢鉱泉登山口 → 天狗岳西尾根 → 西天狗岳 (コースタイム 2時間45分)
・唐沢鉱泉登山口 → 黒百合平 → 東天狗岳 (コースタイム 3時間35分)
・稲子湯 → しらびそ小屋 → 中山峠 → 東天狗岳 (コースタイム 5時間)
・渋の湯 → 黒百合平 → 東天狗岳 (コースタイム 3時間55分)

稲子湯からの距離はやや長くなるものの、どのルートも朝早めに出発すれば、日帰り登山は可能ですが、稲子湯と渋の湯のバスの便は多くないので、バス利用の場合は注意が必要です。


天狗岳登山記録 渋の湯~天狗岳~稲子湯




早朝の中央線にのりこみ、立川、大月、甲府・・・と
4本の普通列車を乗り継いで、茅野駅へ。

ここで予約していたタクシーに乗り、渋の湯へ。
正月三日ということもあって、列車もガラガラ、渋の湯にもほとんど人の気配がない。

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渋の湯の奥にある、登山口で登山計画書をポストに入れ、9:20 いざ、雪山へ。

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正月だというのに、かなりの積雪の樹林帯。

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雪の量が例年以上のようで、積雪の重みによる倒木が多数あり、けっこう歩きにくい。

しばらくすると、あたりが明るくなってきて、稜線近くまで登ってきたようだ。

ああ、冬山の空。

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静かな八ヶ岳の森、音のない雪山に、気分が揚がる。

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そのまま樹林帯を歩き続けると、どんどん積雪は増してきて、こんなモンスターたちがお出迎えしてくれた。

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11:00 黒百合平到着。

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さて、今回はこの黒百合ヒュッテで、あるものを食べるのが楽しみだったのだ。

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いつもなら登山者で賑わう黒百合ヒュッテの前も、正月3日ということで、ほとんど人はいない。

黒百合ヒュッテの受付で念願のビーフシチューセットをお願いし、温かいストーブの前で、うまうまのビーフシチューをいただく。
なんて贅沢(笑)

その黒百合ヒュッテのビーフシチューは、明日の山めし礼讃で。

さて、カラダも心も温まり、小屋の外に出て、
アイゼンを装着。

11:45 いざ、天狗岳へ。

樹林帯を中山峠へと進み、そこから天狗岳方面へ向かう。

樹林帯を飛び出すと、東天狗岳と西天狗岳だ。

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ここでもそうとう風が強いのだが、東天狗の上のほうはかなりな強風の様子。

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稜線に舞い上がる雪煙。

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登っていると、時折ゴーっと、地吹雪のように雪と風が襲ってくる。

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岩と雪のミックス帯を越え、

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稜線では、風で吹き倒されそうになりながら、
アイゼンとピッケルでしっかり確保をしながら登る。

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冬山初心者の頃は、ここでこんな風に吹かれたら、ひとたまりもなく引き返していたと思うが、こうやって緊張感を持ちながらも、心にゆとりをもって雪山を登れるようになったことに感謝だ。

頂上まであと一息。

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12:30 東天狗岳頂上到着。

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黒百合ヒュッテから45分。
無雪期より早いかも(笑)

美しい雪の西天狗岳。

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南八ヶ岳方面もくっきり。

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ん?
赤岳を眺めていたら、なにやらけし粒のようなものが硫黄岳山頂上空に見える?

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どうも遭難救助のヘリのようで、さっきからずっとホバリングを続けている。

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大事にいたらなければいいのだが。。。

凍てつくような強風に、そう長居もしていられず、10分ほどで慎重に下山にかかる。

さらに強さを増した風が、下方の稜線で荒れ狂う。

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飛ばされないようにしっかりアイゼンをきかせ、
13:10 中山峠へ。

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ここからはまた森の中をどんどこ下っていく。

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ここからみどり池、そして稲子湯までの雪道はいつも考え事をするには最高の山歩きだ。

この10月からの新しい部署で、いままでの1/3の人数になったメンバーとともに新しい仕事にがむしゃらに取り組んできた。

その甲斐あって、行き詰っていたそのプロジェクトもV字回復。
目に見えて数字も跳ね上がり、当面の成果をだすことができた。

よくぞこの人数で、この短期間に。
みんなよくやってくれた。。。

そして、また次の壁に向かって、
新たな挑戦は続く。

13:50 あっというまにしらびそ小屋到着。

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なんだかこの看板を見ると、いつもお茶をしたくなる(笑)

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雪の天狗岳を愛でながら、珍しく、自分でコーヒーを淹れたり、山のデザートを作ってみたり。

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1時間ほどもしらびそ小屋の横でまったり雪のティータイムを愉しんで14:45 再びしらびその森の雪道を下り始める。

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15:30 稲子湯到着。

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ちょうど玄関先に、大女将のおばあちゃんがでてきていて新年のご挨拶もそこそこに、濡れたスパッツをかしなさい、アイゼンも乾かしとくから・・・と
私が登山靴を脱ぐ間もなく、ストーブの前に持って行ってくれて・・
まるで田舎に帰ってきたみたいだ(笑)

さて、あとは稲子湯のお湯に浸かって、一年の計をゆっくりとめぐらすのだ。