<2018年1月2日 追記修正>

冬の東天狗岳へ。

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2月の最終週、いろんなことが切羽詰っていたが、雪山へ行きたい病がバクハツ。
金曜日の深夜に中央道を走り、一路八ヶ岳へ。





天狗岳へのアクセス 登山口と駐車場


天狗岳へのアクセスは、登山口によって大きく変わります。

・唐沢鉱泉からの登山口 
  アクセスは自家用車・タクシーのみで、バスの路線はありません。
  唐沢鉱泉までは、未舗装の林道を走り、唐沢鉱泉下に駐車場があります。
  ハイシーズンには駐車場はすぐ満車になるので、早めの到着が必要
・稲子湯からの登山口
  アクセスは自家用車、タクシー、夏季は小海線の小海駅・松原湖駅から路線バスがあります。
  (冬期は稲子湯までの便はない)
  稲子湯には登山者用の駐車場があり、稲子湯旅館さんに料金を払って利用できます。
・渋の湯からの登山口
  アクセスは自家用車、タクシー、路線バスがJR茅野駅からあり
  渋の湯のバス停手前に登山者用駐車場があり、渋の湯さんに料金を払って利用できますが、収容台数は多くありません
  今回は、この渋の湯までタクシーで入り、天狗岳を目指しました。

天狗岳の山小屋 テント場


天狗岳の近くには、稜線近くの黒百合平に通年営業の黒百合ヒュッテがあり、テント指定地も併設しています。
稲子湯からのルート上には、人気の山小屋である みどり池畔にしらびそ小屋があり、同じくテント場があって通年営業。


天狗岳の登山シーズンと難易度


天狗岳は、山小屋が通年営業していることもあり春・夏・秋・冬のシーズンを通して登られています。雪がなくなる5月後半から夏、秋のシーズンは初心者でも特に危険な箇所はありませんが、東天狗岳は岩稜の山で、冬場は10本爪以上のアイゼンとピッケルが必要。強風が吹くことが多く、本格的な冬山の世界になります。


天狗岳への登山コース コースタイム 日帰り山行について


・唐沢鉱泉登山口 → 天狗岳西尾根 → 西天狗岳 (コースタイム 2時間45分)
・唐沢鉱泉登山口 → 黒百合平 → 東天狗岳 (コースタイム 3時間35分)
  → このコースは過去記事参照 八ヶ岳 天狗岳(冬山)
・稲子湯 → しらびそ小屋 → 中山峠 → 東天狗岳 (コースタイム 5時間)
  → 今回はこのコース
・渋の湯 → 黒百合平 → 東天狗岳 (コースタイム 3時間55分)
  → このコースは過去記事参照 渋の湯~天狗岳~稲子湯(冬山)

稲子湯からの距離はやや長くなるものの、どのルートも朝早めに出発すれば、日帰り登山は可能ですが、稲子湯と渋の湯のバスの便は多くないので、バス利用の場合は注意が必要です。


天狗岳登山記録 冬の東天狗岳へ



夜明け前に、稲子湯に着いて車を停め、装備を整えて準備運動。

6:30 稲子湯を出発だ。

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まだほのかに明るい森の中を歩いていく。

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朝の八ヶ岳の空気は清々しく、歩いているだけで癒される。

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みどり池を目指し、快調に歩いていると、しらびそ小屋の手前の登りで、女性の方から突然声をかけられた。

 「ブログ、やられてます・・・?」

 「は、はい。」 (どこかでお会いしたっけ?・・・頭フル回転・・)

 「あの、山めしの・・・」

 「え、ええ・・・」

 「やっぱりー、いっつも見てます!」

という調子で、いつも山めし礼讃を読んでいてくださったいる、初対面のこの方とバッタリ。

でも、なんでおわかりになりました?ってお聞きすると、

 「なんとなく眉毛で・・」

どうも、眉毛でバレるようです(笑)

いや、驚きましたわ。
しばし立ち話をして、先に行かせていただく。

8:00 しらびそ小屋到着。

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今日は、凍ったみどり池からも、天狗岳が綺麗に見える。

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素晴らしい青空と白い頂に、すっかりテンションもあがり、ルンルン気分で再び歩き出す。

本沢温泉へのトレールをわけ、中山峠方面へ。

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この天気とは裏腹に、今回は仕事の難題を抱え、解決策を考えるためにこのコースを選んだのだ。

黙々と雪のトレイルを歩きながら、解決の糸口を熟考。

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しかし、デスクで悩んでいるより、はるかに頭の回転もよく、考えがスッキリしているのが自分でもわかる。

中山峠の直下で雪の急勾配になり、

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あまりしっかりしたトレースがないので、アイゼンをつけていない登山靴で、雪の斜面にこれでもかっ!と蹴りこんでステップを作っていく。

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9:30 中山峠。

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ここで小休止。
行動食を齧り、ストックを、アイゼンとピッケルにチェンジ。

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さて、いざ、天狗岳へ。
樹林帯を抜けると、青空をバックに、東天狗岳と西天狗岳。

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いよいよテンションアップ。

雪の斜面を登り、

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岩場と雪のミックス帯を抜け、

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稜線まであがれば、もうそこに頂上が。

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10:30 東天狗岳山頂

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珍しく、強風もなく、穏やかな天気。

南八ヶ岳の峰々に、

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北アルプスの穂高連峰。

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ん? これは遠く、立山かな?

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西天狗に向かう登山者もちらほら。

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この美しい景色を堪能し、下山開始。

核心部の岩場を慎重にくだり、

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この下のトラバースも難なく通過。

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中山峠まで戻り、あの急斜面を今度は下る。

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登りに考え続けていた仕事のこと。
中山峠からの下りで、思考がすっきりまとまり、いい解決策を絞り出せた。

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あとは稲子湯で、考えをシンプルな表現でまとめれば、本日の重要ミッション完了だ。

しらびそ小屋を過ぎ、

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この雪の森の中を歩いていると、なつかしいところへ帰っていくような気がするのはなぜだろう。

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14:20 稲子湯に到着。

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さて、あとは鉱泉に浸かって、蓄積した疲労をとり、仕事を仕上げて、ビールと稲子湯のおいしい夕食だ。


一日の癒しと、熟考の時間をくれた、山に感謝。



<この記事を書いた人>
 山めし礼讃 ブログ管理人 げんさん
 ビールを飲むために山を登り、山ごはんを作るのが趣味。
 山ごはん好きが高じ、著書に「げんさんの山めしおつまみ」(エンターブレイン)
 「げんさんとよーこさんの山ごはん」(山と渓谷社)などがある
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