焼岳。

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夏や秋には登ったことがあるけれど、冬山は今回が初のチャレンジだ。

12月の下旬。
今シーズンは雪が少ないが、ちょうど前日にほどよく雪が降り、雪山らしくなった焼岳。

この冬季シーズンは、安房峠への旧道は国道から入ったところでゲートが閉まっているが、中の湯温泉に宿泊の人はここを通っていける(ただし、四駆のスタッドレスのみだそうだ)

スタート地点の中の湯温泉の駐車場。

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装備を整え、中の湯温泉の建物の下をくぐって、焼岳への登山は始まる。

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滑りがちな山の雪道をひと登りで、焼岳の登山口。
ゲートが閉まっているので、いつもはにぎわう登山口の駐車場も車の影はない。

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今日はいい天気になりそうだ。

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しばらく尾根を巻くように雪道を行く。

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尾根にとりついたら、そこからは急登だ。

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気温がまだ高い日が多いらしく、溶けて凍った氷の上に雪が積もり、この上なく滑る。
我慢の登りに耐えると、だんだん傾斜は緩やかになり、やがて前方に視界が開けてきた。

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やがて広場に出る。

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ここで少し休憩して水を飲む。

いよいよ下堀沢との出合い。

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このあたりからは、ずっと焼岳を見ながらの登り。

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沢の右岸を登っていくと、だんだんと樹氷が見られるようになる。

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おおっ、焼岳の北峰だ。
肩のあたりから噴煙が上がるのがここからもはっきりわかる。

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夏のルートだと、このまま沢沿いに稜線まで詰めていくのだが、冬季はこの途中から左へと直登。

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これがなかなかハードで、前方を行く人もかなり苦労しているのが遠目にもわかる。
だいぶ登ったところから、急斜面をトラーバースして焼岳の北峰と南峰の間の稜線を目指すのだが、けっこうスリリング。

途中はカメラを構える余裕がなく、少し平らなところで振り返る。

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彼方に見えるのは乗鞍岳。

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さて、いよいよ稜線への最後の詰め。
途中からは直登。

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登山口では少ないと思っていた雪も、このあたりではルートを外すと腰の近くまではまるほど。
雪が固まっていなくて、かなり体力を使う。

しばしのがんばりで、火口の目の前の稜線へ飛び出した。

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向こうに見えるのは笠ヶ岳かな?

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焼岳の南峰。

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さて、頂上まであと一歩というところなのだが、北峰の東側を巻いていくルートがどう探しても見つけられない。大岩の下を行くと行けそうではあるのだが、雪が崩れたらそのまま数百メートル落っこちていきそうな急斜面。

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夏山の記憶を呼び起こそうとするのだが、どうにも安全なルートが見つからない。

あまりうろうろしていても危ないところなので、あっさりとここで引き返す。

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こんないい天気なので、ちょっと未練はあるのだが、単独行は安全第一。
ここまでの雪山も堪能できたし、初の雪の焼岳に来れて満足だ。

しばし眺めを愉しみ、急斜面を慎重に下りていく。

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緊張のトラバースも越え、あとは広場へ向かってどんどこ下る。

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広場で簡単に山めしを愉しんだら、あとは中の湯まで急斜面を降りていく。
登りはアイゼンをつけなかったので、急斜面のスリップに苦しめられたが、下りはアイゼンを穿いていたので、すこぶる快適。

冬の焼岳。
頂上こそ逃したけれど、それはまた次回のお楽しみということで。

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あとは中の湯温泉の熱いお湯と、ビールだっ!