ブライトホルン(4,164m)。
スイスアルプスの4,000m超雪山の登竜門と言われる山。
人生初の4,000m超えデビュー戦だ。
スイスアルプスの4,000m超雪山の登竜門と言われる山。
人生初の4,000m超えデビュー戦だ。
今回のスイスアルプスのハイライト、そして、このためにこの2日間、悪天候の中を高度順応のために、ゴルナーグラートやオーバーロートホルンに登ってコンディションを整えてきたのだ。
4,000mの雪山入門篇とはいえ、氷河を歩いて登るため、2人以上のザイルパートナー、もしくはガイドが必須だと言われており、地元のガイドさんをZERMATTERSを通じて予約していた。
予約時に、使用言語の選択があるのだが、日本語の選択肢はなく、カタコトの英語しか話せないことは伝えていたものの、いろいろと不安はよぎる。
登山前日に天候の確認とレンタル装備(アイゼン・ハーネス・ストックが借りられるが、アイゼンとストックは持参、ハーネスのみお願いしていた)を受け取るためにZERMTTERSの事務所に行き、ハーネスを受け取って明日の集合を確認。
クライン・マッターホルン行きのゴンドラ乗り場に8:30集合と聞いていたのだが、1時間以上も早く、7:20までに来てくれと。そこでガイドの●●さんが待っているので、と告げられるが、事務所を出る寸前に呼び止められ、▲▲さんに変更になった、と。ゴンドラが8:30始発なのにえらく早いな・・・と思って聞き返すが、ガイドさんからの指定だとの一点張りなので、しょうがない。
初の4,000m登山への興奮なのか、不安なのかで、珍しくよく眠れず、朝起きると、前日に買っておいたクロワッサンを2個、紅茶で流し込み、ザックを背負っていざ!
ホテルから20分ぐらい歩いてゴンドラ乗り場へ向かう。
街のどこからでも見えるマッターホルンが輝いて、大快晴だ!
ゴンドラ乗り場で、ガイドと思しき人が数人いて、声をかけられたが、私のガイドをしてくれるのは、その中でも最長老に見える、プルーノさんだ。(ベテラン過ぎて大丈夫か・・・と不安がよぎる)
そして、プルーノさんの英語がイタリア語訛り(?)で半分もわからないし、私の言っていることも(これは私の問題かもしれない)あまり通じていない感じ・・・。むむむ・・・前途多難な予感。
ゴンドラの始発まであと1時間あると思っていたら、すぐ出発だと言われ、プロガイドさんとお客さん、関係者と思しき人々が大きなゴンドラに乗り込んだら、即出発。(どうも時刻表にない、特別対応のようだ)
途中でさらに中型のゴンドラに乗り換え、
一気にクライン・マッターホルンへと。
ゴンドラからは、マッターホルンが初めて全貌を現し、
真っ正面に、これから登る、ブライトホルンが見えた。
ほんまにあそこ登れるんやろか・・・
あっというまにクライン・マッターホルンに着くと、そのままザックを背負って雪原へと歩き出す。
左手にはブライトホルン。
ゲレンデから左手の氷河の雪原へと入っていき、
ここで、ハーネスを装着し、ザイルを結ぶ。
そのまま、プルーノが先頭にたって歩き出し、私はザイルにつながれて、後ろをついて行くのだが、ご高齢と侮っていたプルーノの速いこと。
振り返ることなく、ザイルのテンションで後ろのお客さんの様子はわかるようで、5分くらい間隔で、「It's OK?」とだけ聞かれるが、息を切らしながら「It's OK」とだけ返し、やっとこさついていく。
20分ほどこのペースで氷原を歩いたら、傾斜が急になってきたところでアイゼンを着ける。
自分の冬山登山靴とアイゼンなので、ここはスピーディにアイゼンも装着し、この間に写真撮影。
あまり傾斜を意識していなかったのだが、反対側を見ると、かなりの傾斜だ。
ここで、「両側が切れているリッジは大丈夫か?」(多分こう言った)と聞かれ、あまり得意じゃない、と答えると、「よし。わかった。じゃあノーマルルートで行こう」と方針決定。
実は先人の登山記録などを見ていて、あのナイフリッジはきついな・・・と高所恐怖症の私はややビビっていたので、ちょっと安心する。
少し登ったところで、直登と、トラバースの分岐。
「じゃあ、ノーマルルートへ」と直登コースに踏み込む。
ここからはけっこうな急傾斜で、一歩一歩足場を固めながら登るのだが、アイゼンを着けると、カラダの中でがぜんパワーがみなぎり、ザイルがしょっちゅう緩くなるほど、サクサクと登って行く。
最後は雪壁を登るような感じで、稜線へ飛び出した。
すごい景色。
そしてこれから登る左手を見ると、
えっ? あれ、ナイフリッジじゃない?
プルーノに聞いたら、「そうだ。200m位続く」とふつーに答えが返ってきて、こりゃいくしかないですな。
この後はカメラを構える余裕などなく、狭いところで60㎝くらいの幅の雪稜を踏み外さないように緊張しながら登って行く。もう他のことを考える余裕もなく、ひたすらプルーノの踏み跡と、ザイルのテンションに気を配りながらついていくだけだ。
すごく長く感じられた緊張の雪稜が続き、突然、前に頂上が現れた。
ブライトホルン(4,164m)登頂!!
振り返ればモンテローザ。
頂上のへりにこわごわ近づき、下を撮影すると、アイゼン装着ポイントにいる人々が豆粒のような高度感。
いやー、人生初の4,000m、登っちゃいました~
狭い頂上でしばし大展望を楽しみ、後続のパーティが来たところで場所を譲って出発。
今度は頂上の反対側へと降りていくのだが、こちらはかなりルートも広くて安心コース。
下山は、私が先頭で、プルーノが後ろで確保してくれる。
リッジさえなければ雪山の下山は慣れたもの。
下を見ると、このコースから上がるパーティが多く、特に人数の多い団体さんはこちらから登ってくるようだ。
アイゼン装着ポイントまで帰還。
本日登ったノーマルルートを登っていく人たち。
いやいや、登っているときはあまり感じなかったけれど、思った以上の傾斜だ。
降りてきたコースを振り返ると、楽なコースとはいえ、滑ったら大変。
どんどん人が登ってくる。
プルーノが朝一番で集合して、猛スピードで歩いていたわけがわかった。
気温が上がればどんどん足場の雪は崩れやすくなるし、頂上の混雑もひどくなるし、それであのスピードだったのね。
ここから、右手の岩峰の上にあるクライン・マッターホルンへと引き返す。
クラインマッターホルンの手前で、「よくやった。Japanese(ほとんどヤポネーズと聞こえる発音)ヤポネーズ、トゥーファースト!トゥーファースト!」と時計を指しながら叫ぶプルーノ。
時間を見ると、8時30分にクライン・マッターホルンを出発し、まだ10時30分になっていない。通常3~4時間くらいのコースだそうだが、半分くらいの時間で登って降りてきたらしい。
クライン・マッターホルンの入り口で、次のガイドをするプルーノに感謝を述べてわかれ、ツェルマット方面へゴンドラで降りていく。
振り返って見るブライトホルン。
よくぞ登りました。
帰りは、シュバルツゼー経由の小さなゴンドラで。
窓から見えたのは、リスカムかな?
やがてツェルマットの街が眼下に。
最高の登山日和に、最高のガイドさん。人生初の4,000mへの挑戦をすることができました。
山とプルーノに感謝!
(つづく)
4,000mの雪山入門篇とはいえ、氷河を歩いて登るため、2人以上のザイルパートナー、もしくはガイドが必須だと言われており、地元のガイドさんをZERMATTERSを通じて予約していた。
予約時に、使用言語の選択があるのだが、日本語の選択肢はなく、カタコトの英語しか話せないことは伝えていたものの、いろいろと不安はよぎる。
登山前日に天候の確認とレンタル装備(アイゼン・ハーネス・ストックが借りられるが、アイゼンとストックは持参、ハーネスのみお願いしていた)を受け取るためにZERMTTERSの事務所に行き、ハーネスを受け取って明日の集合を確認。
クライン・マッターホルン行きのゴンドラ乗り場に8:30集合と聞いていたのだが、1時間以上も早く、7:20までに来てくれと。そこでガイドの●●さんが待っているので、と告げられるが、事務所を出る寸前に呼び止められ、▲▲さんに変更になった、と。ゴンドラが8:30始発なのにえらく早いな・・・と思って聞き返すが、ガイドさんからの指定だとの一点張りなので、しょうがない。
初の4,000m登山への興奮なのか、不安なのかで、珍しくよく眠れず、朝起きると、前日に買っておいたクロワッサンを2個、紅茶で流し込み、ザックを背負っていざ!
ホテルから20分ぐらい歩いてゴンドラ乗り場へ向かう。
街のどこからでも見えるマッターホルンが輝いて、大快晴だ!
ゴンドラ乗り場で、ガイドと思しき人が数人いて、声をかけられたが、私のガイドをしてくれるのは、その中でも最長老に見える、プルーノさんだ。(ベテラン過ぎて大丈夫か・・・と不安がよぎる)
そして、プルーノさんの英語がイタリア語訛り(?)で半分もわからないし、私の言っていることも(これは私の問題かもしれない)あまり通じていない感じ・・・。むむむ・・・前途多難な予感。
ゴンドラの始発まであと1時間あると思っていたら、すぐ出発だと言われ、プロガイドさんとお客さん、関係者と思しき人々が大きなゴンドラに乗り込んだら、即出発。(どうも時刻表にない、特別対応のようだ)
途中でさらに中型のゴンドラに乗り換え、
一気にクライン・マッターホルンへと。
ゴンドラからは、マッターホルンが初めて全貌を現し、
真っ正面に、これから登る、ブライトホルンが見えた。
ほんまにあそこ登れるんやろか・・・
あっというまにクライン・マッターホルンに着くと、そのままザックを背負って雪原へと歩き出す。
左手にはブライトホルン。
ゲレンデから左手の氷河の雪原へと入っていき、
ここで、ハーネスを装着し、ザイルを結ぶ。
そのまま、プルーノが先頭にたって歩き出し、私はザイルにつながれて、後ろをついて行くのだが、ご高齢と侮っていたプルーノの速いこと。
振り返ることなく、ザイルのテンションで後ろのお客さんの様子はわかるようで、5分くらい間隔で、「It's OK?」とだけ聞かれるが、息を切らしながら「It's OK」とだけ返し、やっとこさついていく。
20分ほどこのペースで氷原を歩いたら、傾斜が急になってきたところでアイゼンを着ける。
自分の冬山登山靴とアイゼンなので、ここはスピーディにアイゼンも装着し、この間に写真撮影。
あまり傾斜を意識していなかったのだが、反対側を見ると、かなりの傾斜だ。
ここで、「両側が切れているリッジは大丈夫か?」(多分こう言った)と聞かれ、あまり得意じゃない、と答えると、「よし。わかった。じゃあノーマルルートで行こう」と方針決定。
実は先人の登山記録などを見ていて、あのナイフリッジはきついな・・・と高所恐怖症の私はややビビっていたので、ちょっと安心する。
少し登ったところで、直登と、トラバースの分岐。
「じゃあ、ノーマルルートへ」と直登コースに踏み込む。
ここからはけっこうな急傾斜で、一歩一歩足場を固めながら登るのだが、アイゼンを着けると、カラダの中でがぜんパワーがみなぎり、ザイルがしょっちゅう緩くなるほど、サクサクと登って行く。
最後は雪壁を登るような感じで、稜線へ飛び出した。
すごい景色。
そしてこれから登る左手を見ると、
えっ? あれ、ナイフリッジじゃない?
プルーノに聞いたら、「そうだ。200m位続く」とふつーに答えが返ってきて、こりゃいくしかないですな。
この後はカメラを構える余裕などなく、狭いところで60㎝くらいの幅の雪稜を踏み外さないように緊張しながら登って行く。もう他のことを考える余裕もなく、ひたすらプルーノの踏み跡と、ザイルのテンションに気を配りながらついていくだけだ。
すごく長く感じられた緊張の雪稜が続き、突然、前に頂上が現れた。
ブライトホルン(4,164m)登頂!!
振り返ればモンテローザ。
頂上のへりにこわごわ近づき、下を撮影すると、アイゼン装着ポイントにいる人々が豆粒のような高度感。
いやー、人生初の4,000m、登っちゃいました~
狭い頂上でしばし大展望を楽しみ、後続のパーティが来たところで場所を譲って出発。
今度は頂上の反対側へと降りていくのだが、こちらはかなりルートも広くて安心コース。
下山は、私が先頭で、プルーノが後ろで確保してくれる。
リッジさえなければ雪山の下山は慣れたもの。
下を見ると、このコースから上がるパーティが多く、特に人数の多い団体さんはこちらから登ってくるようだ。
アイゼン装着ポイントまで帰還。
本日登ったノーマルルートを登っていく人たち。
いやいや、登っているときはあまり感じなかったけれど、思った以上の傾斜だ。
降りてきたコースを振り返ると、楽なコースとはいえ、滑ったら大変。
どんどん人が登ってくる。
プルーノが朝一番で集合して、猛スピードで歩いていたわけがわかった。
気温が上がればどんどん足場の雪は崩れやすくなるし、頂上の混雑もひどくなるし、それであのスピードだったのね。
ここから、右手の岩峰の上にあるクライン・マッターホルンへと引き返す。
クラインマッターホルンの手前で、「よくやった。Japanese(ほとんどヤポネーズと聞こえる発音)ヤポネーズ、トゥーファースト!トゥーファースト!」と時計を指しながら叫ぶプルーノ。
時間を見ると、8時30分にクライン・マッターホルンを出発し、まだ10時30分になっていない。通常3~4時間くらいのコースだそうだが、半分くらいの時間で登って降りてきたらしい。
クライン・マッターホルンの入り口で、次のガイドをするプルーノに感謝を述べてわかれ、ツェルマット方面へゴンドラで降りていく。
振り返って見るブライトホルン。
よくぞ登りました。
帰りは、シュバルツゼー経由の小さなゴンドラで。
窓から見えたのは、リスカムかな?
やがてツェルマットの街が眼下に。
最高の登山日和に、最高のガイドさん。人生初の4,000mへの挑戦をすることができました。
山とプルーノに感謝!
(つづく)
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